静電気と聞いてあなたは何を思い浮かべるでしょうか。冬にビリっとくる嫌なイメージだったり、子どもの頃に下敷きと衣服を擦って髪の毛を立てて遊んだ事を思い出したりするかもしれません。そんな身近な静電気ですが、そのメカニズムはあまり知られていないかと思います。この講座では、そんな静電気について、電験3種を取得する上で必要な知識を中心に解説します。
電験三種における静電気単元の重要性
電験三種では静電気の問題は毎年出題させる頻出単元です。よく似た言葉が多く出て来るために混乱しやすいのですが、それぞれの言葉の意味を理解し、イメージすることができれば、それほど難しい単元ではありません。得点源になる重要科目なので、取りこぼさないようにしましょう。
ポイント
【参考】紛らわしい用語
電荷,電界,電束,電位など
静電気の基本(正電荷と負電荷)
電荷とは、その物質が持っている電気の量のことで、+の電荷(正電荷)と-の電荷(負電荷)の二種類に分類されます。それぞれが磁石のN極とS極のように、異符号は引き合い(引力)、同符号は反発する(斥力)というような性質があります。それぞれの電荷が持っている力(電気量)が大きければ大きいほど、引力や斥力も大きくなります。これは何となくイメージで分かりますよね。

静電気の基本(帯電)
基本的に物質は正電荷と負電荷を同数持っており、「電気的に中性」という表現をします。この状態ではこの物質に静電気は存在していません。

ところが、物質が衝突することで電荷が他の物質に移ってしまうことがあります。正電荷が少なくなれば、その物質は負の電気を帯びることになります。(「負に帯電する」という言い方をします。)このように物質に電荷が蓄えられている状態、もしくはその電気そのものを「静電気」と言います。電荷のバランスが崩れることが静電気を帯電する事と同じ意味なんですね。

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