前回の講義で学習した正電荷と負電荷のお互いに与える影響について、改めて見ていきましょう。同符号は引き合い、異符号は反発する、でしたよね。電荷が持つ力が多ければ、引力や斥力も大きくなるという事も思い出しておいてください。
静電力

この引力や斥力のことを、静電力と呼びます。記号は英語で力を表すForceの「F」を使って表し、単位は「N」でニュートンと読みます。物理の世界では単位を[ ]で挟んで表記する事が一般的なので覚えておきましょう。今回の場合ですとF[N]と表します。
クーロンの法則
静電力を求める公式として、大変重要な公式がクーロンの法則です。2つの点電荷における静電力の大きさを表す公式です。点電荷とは、電荷の体積や面積を無視するという意味です。大きさを持たない一点に電荷が集中しているとイメージしてください。電荷そのものの大きさを加味して考えると色々と計算が複雑になるので、それを分かりやすくするために一点と考えるのだと今は解釈してください。

Fは前述した静電力を表します。kは比例定数として一旦覚えて下さい。q1、q2はそれぞれ2つの点電荷の力の強さを、rは2つの点電荷間の距離を示します。図で示すと下図のようになります。
重要なのは、公式を丸暗記する事ではなく、イメージする事です。電荷がもつ力が大きければ、当然引力や斥力も大きくなりますし、電荷間の距離が離れれば、静電力が弱まるというのもイメージしやすいと思います。永久磁石を考えてみてください。遠くにあれば力を感じませんが、距離が近くなればなるほど引き合う力が強くなりますよね。これと同じです。
このように、公式を覚える時には必ずイメージで覚えるようにして下さい。こうする事で、「rは分母だっけ?分子だっけ?」と言ったような時に冷静に考え直す事ができます。
