直流回路

【電験三種 独学講座〜理論編〜】3-4. 鳳・テブナンの定理

3-4.鳳・テブナンの定理

鳳(ほう)・テブナンの法則は、1883年にフランスのシャルル・テブナンによって発表されたとされていますが、それよりも前にドイツで発表されていたという説もあります。鳳がつかずに「テブナンの法則」や、「テブナンの等価回路」と言われたりもします。なお、鳳が付くのは1922年に鳳 秀太郎(ほう ひでたろう)によって交流回路においても成立する事が発表されたためです。この場合は抵抗をインピーダンスと言う概念に置き換えて考える必要がありますが、詳しくは交流回路の単元で学習していきましょう。

鳳・テブナンの定理の活用シーン

鳳・テブナンの定理は、抵抗と電圧源が複雑に接続されている回路であっても、ある特定の場所の電圧や電流を求める事ができます。もっと具体的に言うと、求めたい抵抗だけをその回路から切り離し、残りの回路をシンプルな電圧源と内部抵抗だけの等価回路として簡略化してしまう方法のことです。

鳳・テブナンの定理概要

鳳・テブナンの定理 4つのステップ

鳳・テブナンの定理例題

Step1.回路の切り離し

まずは求めたい電流が流れる抵抗だけを切り離します。

回路の切り離しのイメージ図

Step2.切り離した両端の電位差を求める

次に、切り離した両端の電位差を求めます。どちらかを基準(0)として、そこからもう一端の電位を求めることで電位差が分かります。ここでは点bを基準として点aまでの電位を考えてみましょう。

電位差を求める図

点bを基準に点aがどのくらいの電位を持っているのかを求めます。求め方はたくさん方法がありますが、薄い緑の矢印で示した閉回路に流れる電流を求める事ができれば、電位差を知る事が出来そうです。

電流が流れる方向を薄い緑の矢印の向きと仮定し、仮にIとすると、キルヒホッフの第二法則より、起電力の総和が電圧降下の総和と等しくなることから、

$$-30+20=30I+20I$$

$$I=-0.2[A]$$

電流が負の数値になっているため、仮定した電流の向きは逆だった事が分かりました。電流の大きさが分かったので電位差は簡単に求められます。ここでは30[Ω]の抵抗がある方のルートから、点aの電位を探ります。点bから見た点aの電位は、

$$-30+30×0.2=-24$$

つまり電位差Vabは

$$V_{ab}=24[V]$$

と言う事が分かりました。

Step3.電源を短絡し合成抵抗を求める

次に、電圧源を短絡し(要は電圧源をただの電線にします)、残りの抵抗の合成抵抗を求めます。この図のように電圧源であれば良いのですが、電流源があった場合は、短絡ではなく、開放(電線を切り離す)とすることにご注意ください。

短絡から合成抵抗まで

点a点bから見た合成抵抗は、20[Ω]と30[Ω]の並列接続となるので、合成抵抗の単元で学習した「和分の積」で求める事が出来ます。合成抵抗R0は、

$$R_0=\frac{20×30}{20+30}=12[Ω]$$

と言う事が分かります。

Step4.等価回路を作成する

Step2.および3.で求めた電位差と合成抵抗は、そのまま等価回路の起電力と内部抵抗に置きかわります。ここまでシンプルな回路になれば、電流Iを求めることは容易ですね。

等価回路の図

回路の合成抵抗は直列接続なのでそのまま足す事が出来ます。

$$R=12+3=15[Ω]$$

つまり、流れる電流Iの値は、オームの法則より、

$$I=\frac{V}{R}=\frac{24}{15}=1.6[A]$$

このように簡単に値を求める事ができるようになりました。キルヒホッフの法則などを用いて解く事も可能ですが、複雑な回路になるほど計算の難度が上がっていきます。ある特定の電圧や電流を求めたいのであれば、この鳳・テブナンの定理を使って時短してしまいましょう。

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