ブリッジ回路とは
ブリッジ回路とは、下図のような回路の事を言います。中央の抵抗間を渡っている真ん中の抵抗に流れる電流を求める問題が多く出題されています。キルヒホッフの法則、分圧の法則など様々な解き方で解く事が出来ますが、当サイトでは分かりやすい鳳・テブナンの定理を使って解説していきます。
不均衡のブリッジ回路問題
それでは、ブリッジ回路でよく出題される真ん中の電流値を求める問題を解いてみましょう。鳳・テブナンの定理を使って解説します。ちなみに、不均衡とはブリッジ回路の対角にある抵抗の積が等しくない事を指します。(下のケースだと5×5=25 , 2×10=20 と抵抗の積が等しくないため不均衡と言えます。)対角にある抵抗の積が等しいと、真ん中の抵抗に流れる抵抗はゼロになります。(ホイートストンブリッジ)
鳳・テブナンの定理を使い、シンプルな等価回路に置き換えていきます。6[Ω]の抵抗がある部分を切り取り、端面の電位差を求めていきます。
点aの左右にある抵抗の合成抵抗は、5[Ω]+10[Ω]=15[Ω]なので、流れる電流I1は
$$I_1=\frac{20}{15}=\frac{4}{3}[A]$$
$$点aの地点の電位は、20[V]-5[Ω]×\frac{4}{3}[A]=\frac{40}{3}[V]$$
同様に、点bの左右の抵抗の合成抵抗は、2[Ω]+5[Ω]=7[Ω]なので、流れる電流I2は
$$I_2=\frac{20}{7}[A]$$
$$点aの地点の電位は、20[V]-2[Ω]×\frac{20}{7}[A]=\frac{100}{7}[V]$$
$$よって、\frac{100}{7}[V]-\frac{40}{3}[V]=0.953[V]$$
次に、電源を短絡し、切り取った両端から見た合成抵抗を求めます。少し回路を展開するコツがいります。下図のように電線をイメージして、立体的に動かして分かりやすい回路に変換してください。
一番右の図まで抵抗を並べ変えられたらあとは簡単ですね。並列接続の抵抗が、直列につながっているので、
$$R_0=\frac{5×10}{5+10}+\frac{2×5}{2+5}=4.762[Ω]$$
電位差および合成抵抗が分かったので、あとは簡単な等価回路を書きます。
$$I=\frac{V}{R}=\frac{0.953[V]}{10.762[Ω]}=0.089[A]$$
このように求める事が出来ます。