変圧器

【電験三種 独学講座〜機械編〜】1-1. 変圧器の概要

k1-1. 変圧器の概要

変圧器とは

電気は一般的に電圧が高いほど送電ロスを少なくする事ができます。

発電所で作られた電気は併設される変電所で超高圧な電気に昇圧されて送電されます。そして、末端の変電所で必要な電圧に降圧されて供給されます。わざわざ電圧を上げたり下げたり面倒なように見えますが、これが最もロスの少ない送電方法なのです。

では電圧を上げたり下げたりするにはどうすれば良いでしょうか。それは「変圧器」と呼ばれる物を使えばいいのです。

変圧器はトランスフォーマ(通称:トランス)とも呼ばれ、交流電圧を自由に変える事ができるものです。

 

変圧器の分類

変圧器には大きく分けて内鉄形と外鉄形があります。

(引用:(株)日立産機システムより)

図をみていただくとわかるように、巻線の内側に鉄心のある構造が「内鉄形」巻線の外側に鉄心のある構造が「外鉄形」です。

見たままなので覚えやすいと思います。内鉄形は比較的安価に製造でき、作りやすいのが特徴です。外鉄形はコストがかかりますが、短絡に強く、高電圧を扱うことに長けています

この図の鉄心は薄い鉄板が重なってできているように見えると思います。まさにその通りで薄い板を絶縁させながら貼り合わせて作ります。これを「成層鉄心」と言います。ただの鉄の塊だと流れる電流が渦となって熱損してしまう現象が発生します。これを防ぐために、成層鉄心が使われるという訳です。成層鉄心だからと言って損失がないわけではないという事も合わせて知っておいてください。

 

油入変圧器と乾式変圧器

前項でも述べましたが、変圧器の性質上、鉄心に通電すると少なからず熱損が生じます。エネルギー変換のロスが、熱という形になって現れます。要するに、変圧器を稼働させると本体が熱くなるよという事ですね。

家庭で使われるACアダプタも、交流電源を直流電源に変換する物ですが、ずっと使っていると熱くなってくると思います。これも同じ原理でエネルギーのロスが熱となって生じている訳です。

さて、本体が暑くなりすぎると機器の故障にも繋がりますし、安全面でも心配です。変圧器には冷却する仕組みを合わせて設けないといけません。今回は、「油入変圧器」「乾式変圧器」をご紹介します。

油入変圧器は、冷却用の鉱油を本体の周りに入れる仕組みになっています。油の入った容器の中に変圧器本体を沈め込んでいるようなイメージです。油入変圧器は構造が簡単なので安価に作る事ができ、大型化もしやすく大きな負荷にも対応しやすいメリットがありますが、本体が大きくなってしまう点や鉱油の定期的なメンテナンスが必要な点がデメリットになります。

一方乾式変圧器は、鉱油の代わりに空気で冷却します。巻線を樹脂でモールド(覆う)する事から「モールド変圧器」とも呼ばれます。油入変圧器と比べるとメンテナンスが少なく、小型化する事ができます。しかし、製造コストが高い傾向にあったり、大容量の変圧器には向いていません

冷却方式については以上です。それぞれの特徴をざっくりで構いませんので理解しておくと良いです。

 

コンサベータ

油入変圧器において、機器が熱くなったり冷たくなったりを繰り返すと、空気の膨張・収縮により外気が変圧器内に侵入する恐れがあります。(人に例えて呼吸作用、と言います)外気と絶縁油が触れると酸化してスラッジなどの不純物を生じ、本来の性能が出せなくなる事があります。

これを防ぐため、変圧器の上部に油入りのタンクのようなものを設け、外気と直接触れないようにする装置をコンサベータと言います。

 

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